1667年以来の旧家で、酒造業によって多くの資産を築きあげました。全盛期には75人もの使用人を雇い、約1,000haの山林を経営、700haの水田からは、9,000俵の小作米を収納したと伝えられています。
約3,000坪の広大な敷地に堀と堀をめぐらし、500坪におよぶ邸宅は切妻造り。邸宅内には、 厳選された無節の柱、丸桁、敷板などが随所に惜しみなく用いられ、日本でも数少ない豪農の屋敷の構えを知ることができます。
屋根には木羽葺き石置屋根で、15,000個の石が使われており、日本一の規模を誇ります。昭和24年母屋が、53年に土蔵など数回にわたって国の重要文化財に指定されました。また、回遊式として知られる渡辺邸の庭園は、京都から遠州流庭師を招いて構築されたもの。四季折々に美しい自然の表情は、現在も訪れる人の心をなごませてくれます(昭和38年に国名勝指定)。
そのほか平成7年には、NHKドラマの撮影場所(宮尾登美子原作「蔵」)となり、全国的にも名が知られるようになりました。
【母屋】(国指定重要文化財)
切妻造りの豪壮重厚な母屋。
この屋根は、石置木羽葺屋根撞木(いしおきこばぶきやねしゅもく)造りという珍しいものです。たび重なる火災被害後、文化14年(1817年)に現在の建物が再建されました。
中に入ると、母屋を南北に貫通する広い土間が開けます。
茶の間、中茶の間、台所が土間に面しており、順に1段づつ低くなっています。
また、柱や丸桁、敷板などには、厳選された巨木良材が用いられています。
【土蔵】(国指定重要文化財)
6つの土蔵(米蔵・味噌蔵・金蔵・宝蔵・新土蔵・裏土蔵)は、火災や盗難にも備えた万全の造り。
柱の間隔をせばめ、厚板・鉄桟を使用し、丈夫ななまこ壁に仕上げるなど、いろいろな配慮がされています。
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